3分でわかる カメラモニターシステム CMSのお話

従来のミラーの役割と課題
運転者はバックミラーやドアミラーがあるおかげで、前方を見ながら、
同時に車の側面や後方の状況も確認しながら運転をする事ができます。
しかし、従来のミラーにはいくらかの課題がありました。
例えば...
![]() | ミラー確認範囲には死角がある例えばドアミラーの真横にバイクが並走している事に気づかず、車線変更しようとした時に初めて気づいて動揺するような場合があります。 |
ドアミラーは空気抵抗要因燃費向上のために空気抵抗が少ない流線型に車体をデザインしようとしても、ドアミラーの部分だけはデザイン上の制約となります。 | ![]() |
![]() | 一部視界が遮られる左右ドアミラーによって、ドライバーからの左右前方視界が一部遮られています。 |
接触事故を起こす可能性ドアミラーの出っ張りは、他の箇所に比べて接触事故を起こす可能性が高くなります。 | ![]() |
2016年6月にCMS(カメラモニターシステム)の採用が可能に
実はこれらの課題を解消する方法があります。それは、これらのミラーを小型カメラや液晶ディスプレイなどからなる電子ミラーに置き換える方法です。
従来、国内ではこの方法は法的に認められていませんでしたが、2016年6月17日に国土交通省が保安基準を改定し、従来のミラーを電子ミラーに置き換える事が実現可能となりました。この小型カメラや液晶ディスプレイなどからなる電子ミラーのシステムをCMS(Camera Monitor System/カメラモニターシステム)と呼びます。
CMSで実現される未来
それでは、CMSによって今後どのようなことが実現可能になるかを簡単に見てみましょう。
![]() | 従来のミラーの死角領域も確認カメラの画角、すなわち撮影範囲を広げることで従来のミラーの死角領域も確認できるようになります。 |
空気抵抗の削減ドアミラーを小型カメラに置き換えることで、より空気抵抗の少ない低燃費な車を設計する事が可能となります。 | ![]() |
![]() | 視界が開けるドアミラー部分を小型化することで、ドアミラーに遮られていた視界が開けます。 |
視線をあちこちに振らなくてよい全カメラに対応するモニターを一カ所にまとめて同時に見ることも可能になるので周囲の異変の見落としが減少します。 | ![]() |
製造するにあたりクリアしないといけない基準
CMSは従来の自動車にはできなかった多くの魅力的な価値を与えてくれます。
電子ミラー化の流れは国内のみならず海外にも広がりを見せており、今後、世界的にミラーレス車開発が活発になっていくと考えられます。
一方でCMSは安全性に関わるものであり、製品化には UN/ECE(国際連合欧州経済委員会)の自動車基準調和世界フォーラム(UN/ECE/WP29)が定める、間接視界基準に係る協定規則 UN-R46の安全基準をパスしなければなりません。
ちなみにUN-R46 のUNは United Nations (国際連合)を意味し、R はRegulation(規則)の略で、UN-R46 は、国連加盟国によって定められた国際的な規則です。
例えばUN-R46には従来のミラーが満たしていた試験に加え、
- カメラに太陽光が当たるような悪条件を想定した試験
- モニター画質に関するものとして、等方性、鮮明度・被写界深度、画像の乱れなどについての試験
- 表示応答速度、電源投入後のスタンバイ時間などの時間に関する試験など
さまざまな試験があります。
CMSクイズ
楽しみながらCMSについて学べるように
6つのクイズをご用意しました。是非チャレンジしてみてください。
CMS製品の性能検証推奨ハードウェア
日本電計ではCMSの製品化のための試験に関し、さまざまなノウハウ、機器の提供を行っています。