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3分でわかる薄膜のお話(薄膜測定装置特集)
2022年02月14日

3分でわかる薄膜のお話(薄膜測定装置特集)
3分でわかる薄膜のお話(薄膜測定装置特集)

3分でわかる薄膜のお話

薄膜はどこに使われているの?

皆さんが持っているスマホやパソコンには薄膜がたくさん使われています。スマホのタッチパネル、液晶表示部、電子基板、表面の反射防止膜に薄膜が使われています。

また、車のボディや内装、家のサッシ、お菓子の袋にいたるまで、いろいろなところに薄膜が使われています。 小型、軽量、省資源で目的の性能を得るためには、構造を小さく、薄くする必要があります。そのため、薄膜はますます多くのものに使われるようになってきています。

 

何のために薄膜を使うの?

1. 保護
塗装・めっき・酸化膜などが傷の防止、腐食防止に使われます。また、ガスバリア膜が、食品・薬品の酸化防止(品質保持)に役立っています。

 

2. 機能性付与
タッチパネルの電極に透明導電性膜であるITO膜が、眼鏡の表面には反射防止膜が使われています。

 

薄膜の作り方は?

1.塗装     スプレー、スピンコート、刷毛塗り等があります。
2.電気めっき 金属イオンを含む水溶液中に材料を入れ電流を流します。
3.蒸着     金属や酸化物などを蒸発させ、素材表面に付着させます。
4.接着、接合 接着剤あるいは熱により貼り付けます。
 

膜厚を測る方法は?


薄膜は膜の厚さによって性質が変わります。また、必要以上に厚い膜にするとコスト的に不利です。それではどうやって膜厚を測ればいいでしょうか?
切断して断面を出し、顕微鏡で測る場合もありますが、ここでは非破壊で測定する方法をご紹介します。

 

1. 反射分光膜厚計
透明な膜に適用。膜の反射率が波長により周期的に変化することを利用して膜厚を算出します。

 

2. 白色干渉方式表面形状測定システム
透明な膜に適用。垂直にスキャンしたときの各界面での反射光による干渉縞より断面画像を作ります。

3. 蛍光X線膜厚計
金属の膜厚を蛍光X線による元素分析で測定します。厚みが標準物質(金属箔)のデータをもとに決められためっき(金属膜)の膜厚測定に最適です。