3分でわかる交流安定化電源のお話

交流安定化電源ってなに?
交流電源とは、一般に商用電源のことで、配電盤やコンセントから供給される電源電力のことです。日本では交流電圧100Vが一般的です(200V系もある)。
発電所からコンセントに至るまでの長い経路で、電線自体のロスや接続されている機器の影響によって、電圧値やその波形が乱れることがあります。

コンセントや配電盤に接続して、商用電源の代わりに安定した電圧や波形を出力するのが交流安定化電源です。

どんな用途に使う?
コンセントから供給される電源電圧や波形が乱れることにより、接続されている機器の動作が不安定になったり、機器による精密測定が影響を受けることがあります。
例えば省エネルギー家電製品などは、消費電力を厳密に測定する必要がありますが、不安定な電圧で動作させた場合は信頼できる測定とは言えません。

世界の電源はこんなにちがう
ところで、日本の電源電圧は100Vですが、北米は120V、欧州は220V~230Vが一般的です。
また産業用途には三相380Vや400Vという異なる種類の電源もあります。周波数も50Hz/60Hzがあります。

電機製品を海外に輸出するには、輸出先の商用電源で動作確認する必要があります。
交流安定化電源により出力電圧や周波数を変化させることで、日本とは異なる電源で試験ができます。

商用電源は刻々変動している
商用電源は、電圧値や波形の乱れの他に瞬間的な停電など、様々に変動しています。
電源が変動しても、電機製品は安定して動作するように、動作確認試験が求められます。

変化する商用電源を再現する
交流安定化電源は、意図的に歪んだ波形や、超過した電圧、さらには刻々と変わる変動などを出力して確認試験を行うことができます。

商用電源を取り巻く環境変化
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| これまでは発電所からユーザーへ給電するのみでした。 今は太陽光発電や蓄電システム、EVなどが登場し、ユーザーが発電・自家消費、蓄電、売電といった多様な活用が生まれています。交流安定化電源の中には、これらに対応して電力を吸い込む機能をもつ製品があります。 |