3分でわかる中国自動車VOCのお話

シックハウス症候群、化学物質過敏症などの原因となる可能性のある揮発性有機化合物。常温常圧で空気中に容易に揮発する有機化合物のことで、Volatile Organic Compoundsの略称です。塗装のときや新築の建物に入ったとき、吸い込んでしまう有機溶媒はVOCの一例です。

中国における乗用車室内のVOC規制の内容が決定しました。
《乗用車内空気質量評価指南》により、完成車の室内空気を所定の方法でサンプリングし、その空気中の汚染物質濃度が一定値以下であることが要求されています。
新型車は2017年1月1日より、従来型車は2018年7月1日より対象となります。
対象8種類とその濃度限界値は次の通りです。
完成車の測定
自動車メーカー、一部の中国の検査機関で行います。非常に高価な装置となります。
部品の測定
中国、日本、韓国系自動車メーカーは、サンプリングバッグ法を採用しています。プラスチックバッグにサンプルを入れて加熱します。欧米系メーカーは、チャンバ法を採用しているところが多いです。直接、サンプルをチャンバ(恒温槽)に入れます。設備はバッグ法より高価となります。
多くの自動車メーカー及び自動車部品メーカーでは、サンプリングバッグ法を検討しており、それに対応するラボを設立するところが多いと考えられます。また、受託試験を行っているところもあります。