光の干渉現象を利用して微細な表面形状測定を行い、高機能フィルムや半導体、自動車部品、ディスプレイ業界において求められている高精度な計測を実現します。
光の干渉現象を利用し、高精度かつ広範囲な表面形状計測を高速に行うことができます。従来の線粗さ測定では、測定箇所や走査方向に依存するバラつきが課題でした。その対応として定められたISO25178のパラメータ算出法を採用したVS1800は、表面形状の新たなスタンダードです。高さ分解能0.1nm以下で、AFMに比べ広い面に対し測定可能です。
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光の干渉現象を利用し、高精度かつ広範囲な表面形状計測を高速に行うことができます。従来の線粗さ測定では、測定箇所や走査方向に依存するバラつきが課題でした。その対応として定められたISO25178のパラメータ算出法を採用したVS1800は、表面形状の新たなスタンダードです。高さ分解能0.1nm以下で、AFMに比べ広い面に対し測定可能です。
材料の平たん化や薄膜化、微細構造化が急速に進み、従来、一般的であったSPM(走査型プローブ顕
微鏡)や触針式粗さ計、レーザー顕微鏡などを上回る計測精度が求められています。光の干渉現象を
利用する走査型白色干渉顕微鏡を、より使いやすく、手軽に導入できるようにしたナノ3D光干渉計測
システムVS1800では、高精度かつ広範囲な表面形状計測を高速に行うことができます。また、従来の
線粗さによる測定では、「測定箇所による結果のバラつき」と「走査方向に依存する結果のバラつき」
が大きな課題となっています。VS1800は、その対応として定められた表面形状の評価方法である国際
規格ISO25178を参照にしたパラメータ算出により、表面形状測定の新たなスタンダードとして注目を
集めています。
各種計測器との比較
装置 | VS1800 | レーザー 共焦点顕微鏡 | AFM | 触針式粗さ計 |
測定方式 | 光学式 (走査型光干渉方式) | 光学式 (走査型共焦点 レーザー方式) | 接触式 (原子間力顕微鏡) | 接触式 (触針式)
|
垂直分解能 (表面形状) | 〇 | △ | 〇 | △ |
段差再現性(Z) | 〇 | △ | 〇 | △ |
X-Y分解能 | △ | △ | 〇 | × |
測定スピード | 〇 | △ | × | △ |
膜厚測定 | 〇 | △ | × | × |
簡便性 | 〇 | 〇 | △ | 〇 |
サンプルへのダメージ | 〇 非破壊、ダメージなし | 〇 | △ | × |
1.高分解能・広範囲
ナノ3D光干渉計測システムVS1800は、同じく高さ分解能0.1 nm以下を実現する、原子間力顕微鏡の
ナノ3Dプローブ計測システムAFM5500Mに比べて面内方向における計測範囲の広さが大きな特徴で
す。それぞれの特徴を生かし、ニーズに合わせた最適な計測システムの選択が生産性の向上につながり
ます。
独自のアルゴリズムにより、垂直分解能0.01 nm(Phaseモード時)を実現。対物レンズの倍率に依存
することなく、高い垂直分解能を実現するため、広い範囲(ワンショット最大6.4 mm×6.4 mm)で
もナノオーダーの粗さ、段差の計測が可能です。
2.高い測定再現性
高さのスケールに干渉縞を用い、Z駆動機構からの影響を最小化することで、再現性0.1%以下
(Phaseモード時)を実現します。
3.高速測定
サンプルを面で捉え、XY方向の走査がないことで測定を高速化し、非接触方式のため、サンプルに
ダメージを与えることなく測定可能です。
4.非破壊計測
従来はサンプルを切断し、断面を形成して行われた多層膜の層構造および層内部の異物計測を非破壊で
行うことが可能です。透明な積層サンプルにおいて、レンズの高さ座標と各界面から得られた反射光を
利用し、各光学界面において得られた干渉縞から仮想の断面画像を出力します。
5.簡単計測
直感的に使える操作画面を搭載し、処理後の画像をその場で確認できます。処理や解析内容のリスト
化、独自解析レシピの作成、解析レシピの繰り返し使用などを簡単に行えます。また、大量データの
一括処理が可能で、複数のサンプルや解析結果を一元管理し、手間のかかる後処理を軽減します。
また、表面形状の評価方法を定めた国際規格ISO25178には、非常に多くの項目が設定されており、
サンプルごとの適切なパラメータを選択する必要があります。そこで、VS1800では、パラメータ選択
を提案するツールを搭載し、管理精度の向上を支援します。
6.柔軟な導入
手動XYステージ仕様のベースモデルをType 1とし、駆動部の電動化を段階的に進めたType 2とType 3
をご用意しています。各モデルのアップグレードは担当者による部品追加により行い、用途に合わせ
た手軽な導入が可能です。
◆仕様
装置仕様
機種 | Type1 Type2 Type3 |
Z軸 モーター駆動 | 標準搭載(最大測定Zレンジ~10mm) |
PZT駆動 | 追加オプション(最大測定レンジ~150μm) |
XYステージ 駆動方式 | 手動 電動 電動 |
移動領域 | ±50mm ±75mm ±75mm |
ステージサイズ | W205×D150mm W225×D225mm W225×D225mm |
ゴニオステージ 駆動方式 | 電動 |
移動領域 | ±2 ±5 ±5 |
測定用カメラ | 標準カメラ または 高画素カメラ |
鏡筒 | ×1 または ×0.5 |
ズームレンズ | ×0.7レンズ(追加オプション) |
対物レンズ | ×2.5 ×5 ×10 ×20 ×50 ×110 |
サンプル高さ 標準 | 0~50mm |
追加オプション かさ上げキット使用時 | 50~100mm 0~100mm 0~100mm |
コンピュータ OS | Windows 10 |
除振台(架台付き) | パッシブ型 または アクティブ型 |
ソフトウェア一覧
標準搭載 | 追加オプション | |
計測ソフトウェア | 表面形状測定 | 高傾斜測定 |
解析ソフトウェア | ISOパラメータ | 層断面解析、層面解析 断面積、ライン計測 |
◆応用例
1.ディスプレイ用フィルム
2.ガラス基板上の高分子薄膜段差
3.名刺印字面 表面形状とトナー厚み
4.トライボロジー評価
新油および劣化油を使用したときの摺動痕の測定例
金属の摺動試験に新油および劣化油を使用した際の摺動痕をVS1800により計測した結果です。
各々、摺動部の3D形状および断面プロファイルを比較すると、劣化油使用時の摺動痕は
6倍ほど深くなっており、摺動方向が明瞭にわかるスジ状に削れています。
◆新油を使用したときの摺動痕
表面形状 断面プロファイル
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◆劣化油を使用したときの摺動痕
表面形状 断面プロファイル
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