TEMホーンアンテナの特長
TEMホーンアンテナは、携帯電話などの無線送信機より輻射される電磁波の近接照射イミュニティ評価試験(近傍電磁界イミュニティ試験)を実施するためのアンテナです。今後、TEMホーンアンテナを使用した近接照射イミュニティ評価試験は、医療機器(IEC 60601-1-2)やマルチメディア機器(CISPR 35)など、様々な製品規格への展開が見込まれています。広帯域、低VSWR、広い電界均一特性を有しており、効率のよい近接照射イミュニティ試験が行えます。
※ 国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)との共同研究により製品化しました。
- IEC 61000-4-39 Ed.1 準拠のTEMホーンアンテナです。
- 380MHz~6GHzの周波数範囲において、アンテナを交換せずに試験することができます。
- 低いVSWR、高GAINのため、効率よく電磁波を照射することができます。
- 広い電界均一特性を有しているため、EUTへ照射する際のアンテナの移動を減らすことができます。
- 周波数毎での近傍電界分布の最大点が中心にある為、アンテナの軸線上を基準にEUTに対して照射試験を行うことができます。
仕様
項目 | THA-380M60G仕様 | THA-380M70G仕様 |
準拠規格 | IEC 61000-4-39 | IEC 61000-4-39 |
周波数範囲 | 380MHz~6GHz (8GHz) ※6GHz以上は保証外 | 380MHz~7.125GHz |
VSWR | 3以下 | 3以下 |
耐電力 | 380MHz~750MHz:180W MAX | 380MHz~7.125GHz:100W MAX |
750MHz~1.7GHz:100W MAX | ||
1.7GHz~6GHz:65W MAX | ||
インピーダンス(typ) | 50Ω | 50Ω |
コネクタ | N(J) | N(J) |
寸法 |
W450mm×H420mm×D598mm (突起部除く、φ22アンテナ支持ポール除く) ※詳細は図(寸法図)を参照 |
W225mm×H324mm×D309.5mm (突起部除く、φ22アンテナ支持ポール除く) ※詳細は図(寸法図)を参照 |
重量 | 約3.2kg | 約1.6kg |
■ 寸法図
■ VSWR
規格では全ての帯域で3以下となり、NoiseKenのTEMホーンアンテナは殆どの帯域でVSWRが2以下となります。
■ 300V/m発生に必要な電力(typ)(at 0.1m)
■ 電界分布特性
電界分布特性(アンテナ距離:0.1m、2dB/Lineは内側から2番目の等高線まで)上下左右が対称的な電界分布特性です。
電界均一面の確保について
実際の試験では、電界均一面に内接する四角形を作成し照射位置の管理を行います。その為、中心に最大点があり、大きな四角形を作成できる対称的な電界分布特性が必要です。
【電界均一面が対称的な場合】電界均一面が上下左右で対称的のため、アンテナ中心軸を基準に広い電界均一面が得られます。【電界均一面に歪みがある場合】電界均一面に歪みがあると、アンテナ中心軸を基準に広い電界均一面の確保が難しい。(狭い電界均一面になります。)⇒ 広く対称的な電界分布特性は試験時間の短縮が期待できます。
システム構成イメージ
システム構成はノイズの信号源となるシグナルジェネレータと、その信号を増幅するパワーアンプ、電波を照射させるTEMホーンアンテナ、TEMホーンアンテナへの供給電力を確認するためのパワーメーター、これら一連の装置を制御するソフトウェアが必要となります。
基本的なシステム構成はIEC 61000-4-3 放射イミュニティ試験とほぼ同じで、近接照射試験を行うにはアンテナを従来の広帯域アンテナからTEMホーンアンテナに変更するだけでシステム構築ができます。(アンテナの位置制御(X-Y制御)はオプション対応です。)
広帯域アンテナを外して、TEM ホーンアンテナに交換することで、既存のIEC 61000-4-3放射イミュニティ試験の試験設備を流用できます。オプション対応で更に便利に、専用ソフトウェアでのシステム構築もできます。
■ 専用ソフトウェアを使用した試験イメージ(X-Yポジション移動および偏波切替制御)
試験は供試品とアンテナ間の距離を100mmにし、供試品の全ての面に対して垂直偏波および水平偏波の照射を行います。専用ソフトウェアを使用して、アンテナ移動(X-Yポジション移動および偏波切替制御)と電波照射を自動化することで、さらに試験の時短・省力化ができます。
近接照射イミュニティ試験の必要性
近年普及が著しいスマートフォンや無線LANに加え、IoTや5Gなど、新しい通信技術やインフラの登場により、多くの電子機器が無線通信で繋がる世界が到来します。一方でEMCの目線では、これら無線送信機が他の電子機器に近接するケースが増加し、電磁干渉のリスクが懸念されます。このような背景のもと、近接する送信機に対する電磁耐性試験法であるIEC 61000-4-39が発行されました。
近接する送信機が発生する電磁界は非常に強く、また近傍界の特徴を持つことから、従来の遠方から照射する放射イミュニティ試験に加えて実施する必要があります。基本規格となるIEC 61000-4-39では、使用するアンテナが定められており、スマートフォンや携帯電話、5G(sub6)の周波数帯域ではTEMホーンアンテナを使用する必要があります。
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TEMホーンアンテナに関するお問合せ
出展企業情報
- 企業名
- 株式会社ノイズ研究所
- 企業PR
- 株式会社ノイズ研究所、各種EMC(EMI/EMS)ノイズ試験器や測定器、RF試験システムなどを開発・製造・販売しています。
最大 10Gb/s のケーブル性能を検証し、ネットワークの接続問題を解決するテストソリューションです。
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