3分でわかるアコースティック・エミッション計測(製造設備の保全)のお話

アコースティック・エミッション(AE)計測が注目されている理由
▲ベアリングや切削工具
- AE計測では、ベアリングや切削工具などの各種製造設備の消耗部が、壊れる前に、早期に異常検知ができます。
- これまでの定期交換方式では、まだ使える消耗品を早めに交換していました。
- AE計測を活用して不具合の予兆がある部品のみ交換して、メンテナンスの効率化が期待できます。
AE計測とは
- 固体が変形したり破壊する際には、ひずみエネルギーを音波(弾性波)として放出します
- この弾性波をセンサで検出・観察することで、破壊過程の評価が可能です。
外観ではわからない破損などの不具合を、早期検知できる可能性があります。
▲変形・破損時のAE信号
▲AE信号の例
AE信号の特長

- AE信号は数10kHzから数MHz、超音波領域。
- 高域信号を検知するので、低域の環境ノイズに強い。
- わずかな変化を検出する高感度。
AE計測の利点
- 材料の変形や微細な破壊の進展を、リアルタイムで観測
- 稼働中の設備を観測可能
- 正常状態から故障に至るまでの僅かな変化を感知
- 複数のセンサを使用することで、欠陥の位置標定が可能
AE計測の活用分野

様々な製造設備の摩耗や亀裂、故障などを非破壊で検知することが期待されています。
ベアリング
ギア
ロボットアーム
ダイシング
成形機の金型や鋳型
圧延機・輪転機
AE信号を検出するには?
信号検出に必要なセンサ、プリアンプ、および解析用のハードウエア・ソフトウエアを組み合わせて、適切な信号処理をおこなうことで、対象物や環境に適した不具合検出を行うことができます。
▲AE計測の基本構成
計測例
ベアリングの劣化
▶解析で得られる「周波数重心」の変化から、劣化への変化を検出
▲ベアリングの劣化を監視する試験環境
▲解析データ
計測例
切削工具の摩耗
▶解析で得られる「周波数重心」の変化から、劣化への変化を検出
▲工具の摩耗を監視する試験環境
▲解析データ
●センサ
▲AEセンサ
様々な測定環境にあったセンサ
●対象物の特性に合った周波数帯域を選択
●高温用、防水・防油など
●プリアンプ内蔵タイプ(配線長く引回し可能)
●プリアンプ
▲AE計測用プリアンプ
センサからの信号を、解析に必要なレベルに増幅
●解析に不要なノイズなどをあらかじめ除去
●センサにあった周波数帯域を選定
●小型、フィルタ搭載モデルなど
●信号処理装置
▲AEアナライザ
AE信号を解析し、不具合を検出
●リアルタイム分析
波形表示/FFT表示/各種特徴データ抽出・表示など
●AE信号データを保存
●アンプおよびフィルタを内蔵
●アラート発出機能