電波可視化計測技術 ミリ波吸収材の評価計測の特長
SMS-1000の特徴
上図のように、76GHzの電磁波をホーンアンテナより発射した後に平面波に変換し、遠方界における電波吸収体の性能評価としております。 図のように金属板に電波吸収体を貼り付け、その先の反射波を平面的に計測しました。 下図は、左図の計測範囲を計測した際の振幅を示します。今回は2種類の電波吸収体を評価しました。 |
結果から、電波吸収体の効果によって電波が吸収されていることがよくわかります。 次に、金属板のみ時の振幅MAXを基準と(上左図のビーム中央の赤い部分を0dBと基準を置き換え)したときに、吸収体AおよびBの減衰量を表したものを下図に示します。 |
この結果より、反射波のビーム部分において(振幅MAXを基準として)、吸収体Aは約10dBの減衰、吸収体Bは約15dBの減衰であることがわかり、吸収体Bの方が電波吸収の性能がよいことが一目でわかります。 |
終わりに、補足として、金属を裏打ちして反射抑制させるための電波吸収体は、垂直入射における反射が極力低くなるように設計されるケースが多くあります。しかしながら、実際の環境ではどの方向からの到来電波に対しても効果を発揮するべきであり、実際には斜め入射/反射の効果が重要とされるケースが多くなると考えられます。
また、減衰電波を計測する際に、一般的にはホーンアンテナやパワーセンサ/メーターが多く使用されますが、電波の散乱が生じた場合には適正な評価がされません。以下に、散乱電波を計測した事例を示します。我々が開発した技術は、電波を空間的に計測することを可能とするため、散乱して電波が減衰しているのか、それとも吸収して電波が減衰しているのかを適正に評価することができます。
上図に示すように、しわくちゃのアルミホイルに電波を照射・反射させた場合、電波が散乱していることがわかります。
今回の事例はアルミホイルですが、電波吸収体においても形状が凸状のものなど電波の散乱・反射が懸念されるケースもあり、空間的にどのように電波が振る舞うかを適正に把握することが必要になります。
【自由空間法のおけるS11、S21に相当する計測も可能】
測定の系を変えることで、一般的な自由空間法で扱われる透過減衰(S21)や
反射(S11)に相当する計測も可能です
透過(S21)計測
左図は平板サンプルを計測した結果を示します。また、こちらでは、サンプルが無い状態の電波と比較をすることで、サンプル面内の減衰量(dB換算値)を示しています。 ※本事例は吸収体ではなく樹脂平板サンプルを用いた結果です |
垂直入射における反射(S11)計測
私たちの技術では、サンプル(金属板や吸収材)に電波が入射して、反射した空間の電場を計測するこも可能です。上図では、垂直入射した平面波と反射波とが干渉した様子を計測しています。吸収・反射量が異なる吸収体A・B・Cにおいて、干渉縞(定在波比)の強さが異なることがわかります。この干渉縞の強さより反射波がどれほどでもどってくるかを算出し、S11に相当する値を求めることが可能です。
電波可視化計測技術 ミリ波吸収材の評価計測に関するお問合せ
出展企業情報
- 企業名
- 株式会社フォトニック・エッジ
- 企業PR
- 株式会社フォトニック・エッジは、2019年7月に大学発ベンチャー企業として創業された岐阜大学発ベンチャー認定企業(第一号)です。 岐阜大学の久武研究室が開発する「高い周波数(マイクロ波からテラヘルツ波)の電磁波を計測する技術」、特に、電気光学素子(電界を受けると屈折率変化を起こす素子)を光ファイバ先端部に設置し、ファイバープローブを操作することにより電界を可視化する技術の社会実装に取り組んでいます。 ミリ波・テラヘルツ波の電波計測のおいてお困り事があれば、私たちがサポートさせていただきます。 大学の基礎研究と社会のニーズを繋ぐのも我々の大事な役割です。 可視化技術の開発も、無茶振りから始まりました。 無茶振りでも構いません。こんな技術が是非欲しいというニーズをお知らせください。 大学と共に基礎技術を開発し、その社会実装に努めます。
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