【特集】直流安定化電源の選定ポイント!(菊水電子工業)
直流安定化電源を選定するときのポイント
試験実行内容の確認 | 選定ポイント |
---|---|
被試験物の動作に必要な電圧と電流を検討して決定する | 定格電圧と定格電流の確認 |
被試験物に与える電圧の変化時間を管理したい | 出力電圧の立上り時間、立下り時間の確認 |
被試験物はリップルノイズにより影響を受けるか否か | リップルノイズの確認 |
被試験物に流れる電流の変化時間が速い | 過渡応答特性の確認 |
電源装置をバッテリの代わりに使う | 内部抵抗可変機能の有無を確認 |
被試験物がバッテリである | ブリーダー回路(放電回路)オフ機能の有無を確認 |
遠隔操作(外部電圧、パソコン)による測定が必要 | 外部コントロール機能を確認 |
単一レンジ電源とワイドレンジ電源
●単一レンジ電源 出力範囲が定格電圧または定格電流で制限されるタイプ。 | ![]() |
●ワイドレンジ電源 出力範囲が設定電圧と定格電力、または設定電流と定格電力で制限されるタイプ。 | ![]() |
出力モードはあくまで定電圧または定電流。定電力動作(電力を一定にして電圧が下がれば電流が増える、またはその逆という動作)はできません。ワイドレンジ=組合わせ範囲が、単一レンジよりも広くなっているということです。 これを単一レンジ電源で置き換えようとすると、複数台の電源(例:40V/27A定格、20V/54A定格、10V/105A定格・・・)を用いるか、1台とするなら40V/120A定格(4,800W!)の製品が必要になります。ちなみにワイドレンジ電源において、同定格(電圧電流)の単一レンジとの電力比を拡張比といいます。PWR1201Lの場合は、3倍比となります。 | ![]() |
回路方式の特長
スイッチング方式とシリーズドロッパ方式の特長を理解する!
項目 | スイッチング方式 | ドロッパ方式 |
---|---|---|
安定度 | 〇 | ◎ |
出力品位(低ノイズ・低リップル) | 〇 | ◎ |
過渡応答(負荷変化への追従性能) | 〇 | ◎ |
外形寸法 | ◎ | ×(大きい) |
質量 | ◎ | ×(重い) |
電力変換効率(省エネ性能) | 〇(70~90%) | ×(50%程度) |
KIKUSUIからのアドバイス
単一レンジ電源かワイドレンジ電源か?(選定の目安)
1. まずは単一レンジの中から 必要な定格を持つモデルをご検討するのがオススメ。同容量であれば、単一レンジのほうが一般的には廉価になります。(バイポーラ電源のPBZシリーズは例外)しかし、負荷に対して選んだモデルの電源容量が過大かと思われる場合は(負荷容量に対して電源容量が数倍)ワイドレンジにした方が適切かもしれません。 | ![]() |
2. ワイドレンジ電源が有利になるケース 定常時は電流が少ないが、起動時に大きな電流が流れる誘導性負荷(モーターなど)の駆動や電力は小さいが、様々な定格(電圧・電流)の試験対象があり、大きな電源または複数の電源を置く場所がない(予算もない・・・)といった場合です。 | ![]() |
3. ワイドレンジのデメリット ワイドレンジは、レンジ幅を拡げたことのトレードオフとして同一容量の単一レンジと比べて設定分解能が荒く、また過渡応答(負荷変動の追従特性)についても遅くなります。この点についても、考慮をいただいく必要があります。 | ![]() |
●キクスイの直流安定化電源ラインナップ
スイッチング方式 | ドロッパ方式 | |
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単一レンジ電源 | ワイドレンジ電源 | 単一レンジ電源 |
PAVシリーズ PAGシリーズ PAT-Tシリーズ PHP-Tシリーズ | PWR-01シリーズ PWXシリーズ | PMX-Aシリーズ PMX-Multiシリーズ PAN-A/Eシリーズ PAD-LAシリーズ |
●ワイドレンジ電源PWR-01シリーズ | ●単一レンジ電源PMX-Aシリーズ |
運営スタッフお薦めの製品
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マンガでわかる直流安定化電源もあるよ! 「俺の後輩が可愛いのはたぶん何かの間違いだ」 | ![]() |
●単行本のご紹介
※このページの記載内容は2020年5月現在のものです。